ただいま、生活拠点の私の部屋。
着いてすぐ父に電話した。
少し息が上がっている様子に心配になった。
聞くと
「部屋の片付けをしてた」とのこと。
「淋しいわ」と言われ
一瞬で涙が出た。
そう。
大抵、淋しさに苦しくなるのは残された方。
2週間後にまた帰省するとお互いに確認し
名残惜しくも電話を切った。
ここには母の遺影がない。
でも、母の息のかかったものはたくさんある。
母の毛糸を迎えるため
私も片付けをしなければならない。
そして
母の毛糸を
きちんとした作品にしたい。
母がいないこと
父や兄が淋しさに歯を食いしばっていること
忘れないように。